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外国語TIPS

韓国語と日本語の「敬語の違い」

作者からひとこと
韓国文化・韓国語の魅力に触れ社会人になってから留学・ワーキングホリデーを行い、2年ほど在住。その際にTOPIK6級を取得しました。数十回を超える渡韓歴を持ち、現在は日本と韓国を行ったり来たりしながら大好きな韓国文化に触れています。現地では日本語教育や翻訳活動に従事し、現在はフリーランスとして日本語教育・翻訳活動を行っています。字幕翻訳についても修了済み。いつも頭の中は韓国の事でいっぱい。知れば知るほど韓国って面白い・素敵な国!と韓国沼にハマる日々を過ごしています。

韓国語を勉強する上で難しいと感じるものに「敬語」があると思います。両国ともに敬語を使うという点では同じですが、違う点も多々。そこで今回は、日本と韓国の「敬語の違い」についてお話してみたいと思います。

まず1つ目は身内に対する「謙譲語」の違い。
日本では自身のことだけでなく会社の上司を他社の社員に向けて話す時、「ただ今○○(社長名を呼び捨て)は席を外しております。」のように身内をへりくだって話しますよね。
しかし韓国では儒教の影響もあり「目上の人を敬う」という意識がとても強いので、身内であろうと自分より年上であれば敬った表現をするのが当たり前なのです。そのため、韓国では「사장님께서 자리를 비우셨어요.(直訳:社長様が席を外されています)」というように尊敬語を使用するのが一般的です。
実は韓国では、上記のような表現を家族や親せきの間柄でも使用します。絶対ではありませんが、自分の両親や祖父母に対しても尊敬語を使用することも多いのですよ。

二つ目は「助詞」が変化する。
韓国語では主語が目上の人だった場合には、助詞を変化させなければなりません。例えば「~は」を表す「는/은(ヌン/ウン)」は、「께서는(ケソヌン)」に変わります。形が全く違っていますよね。
その他にも「〜が」を表す「가/이(ガ/イ)が「께서(ケソ)」、「〜に」を表す「에게(エゲ)」が「께(ケ)」に変化してしまうのです。
すべてに「께(ケ)」が使われており、韓国語学習者にとっては非常に混乱しやすい部分に挙げられます。

三つ目は「言葉自体」が変わってしまう。
韓国語の場合は尊敬語を使用する時に助詞だけでなく、名詞自体が変わることも多いです。「名前」という単語で考えてみましょう。尊敬語にすると日本語では「お名前」となり、「お」をつける変化程度のみで言葉自体が変化することはありません。
しかし、韓国語では全く違う言葉に変化してしまうのです。上記の「名前」を表す韓国語は「이름(イルム)」ですが、尊敬語になると「성함(ソンハム)」に変化してしまいます。
このように全く違う言葉になってしまうことも多いので、使用する際には注意が必要です。

韓国語を勉強していると「敬語」の難しさを感じるかもしれませんが、年上の方と失礼のないやり取りをするには必須の表現です。言葉が変わってしまうなど難しい部分もありますが、ぜひ習得してスムーズなやりとりをしてみてくださいね!

                 韓国語ー日本語翻訳家 Mayuka