ルーマニア語が標準語や公用語として使われている国

東欧の国ルーマニアの公用語であるルーマニア語。日本ではあまり馴染みのない言語ですが、実は話者数の多さではヨーロッパのランキングで10位以内にランクインするほど、話者数が多いんです。その数は約2600万人と言われ、ルーマニア以外にも近接するモルドバ共和国やバルカン諸国でも話されています。またルーマニアが2007年にEUに加盟したことから、EUの公用語にもなりました。

ルーマニア語はインドヨーロッパ語族のイタリック語派に属し、イタリア語、スペイン語、フランス語といった言語と同じく、ラテン語を起源とするロマンス諸語の1つです。しかしイタリアやスペインと異なり、ルーマニアは東欧に位置し、スラブ語圏の国々に囲まれているために、ルーマニア語は特にスラブ語から大きな影響を受け、ロマンス諸語の中でも独自の発展を遂げてきました。

さて、先に述べたとおり、ルーマニア語はルーマニアとEUの公用語ですが、さらに隣国であるモルドバ共和国の公用語でもあります。以前はモルドバ共和国の公用語はモルドバ語でしたが、実はこのモルドバ語は、ルーマニア語と単語や文法はほぼ同じ。表記がラテン文字ではなくキリル文字であること以外に大きな違いはありません。のちにモルドバ共和国でも、使用文字がキリル文字からラテン文字へ変更され、今では正式にルーマニア語が公用語となりました。

ルーマニアは確かな経済成長を遂げ、近年ではポーランドに次ぐ東欧第2の経済大国となっています。またルーマニアにはIT 人材が豊富で、スタートアップが着実に成長していることから、デジタル分野でのビジネス展開においても大きな可能性を持つ国です。また、日本とルーマニアは今年2023年3月に戦略的パートナーシップを締結したため、科学技術分野での協力もこれからますます進むと予想され、同時にルーマニア語の重要性も今後さらに増していくでしょう。

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